映画のオチについて

映画La la landのオチがつまらなかった、という意見が周囲やネット上でよく見られたので考えてみた(ネタバレ)。主人公である二人は結局互いの夢を叶えて別々の人生をいくわけだが、それが「5years later」という表示の後、唐突に示される。そして、ある日偶然二人は再開する。ヒロインは別の男性と結婚し、二人連れでいる。二人はお互いを確認しあい、彼の弾くピアノの乗せて様々な「もしもあの時こうしていたら」という夢の世界を共有し、最後は微妙なほほ笑みを交し合って別れる。自分が思うに、これはオチというか、人生の中ではよくあるシーンを切り取ったものだ。それが良いのでもなく、悪いのでもない。ただ「そうなった」というだけ。オチのどんでん返しでストーリーに起伏を付ける手法は最近よく見られるが、la la landにはそういう意図は無い。オチでいろいろなものを回収しなければならない映画はラストにいくほど情報が詰め込まれている。それに慣れていると、la la landのような映画は「つまらない」ということになるだろう。ただストーリーをジェットコースターのような起伏で驚かせて最後にあっと言わせる、という手法はもういい加減廃れていけばいいと思う。最初から騙し絵のような謎に満ちた作風であればいいが、ヒューマンドラマと見せかけて実は違うなど、ミスリードの誘い方が強引というか雑というか下手な作品が多すぎて正直腹が立つ。